令和7年8月29日、秋田県庁にて開催された第46回秋田県優良工事表彰式・第11回秋田県優良業務表彰式において、当社団は以下の業務で知事表彰を受けました。今回の表彰を励みに、引き続きよい成果を提供できるよう、技術の研鑽に努める次第です。なお、当社団において県の優良業務表彰を受けた業務は、今回で延べ10件となりました。
表彰された業務の概要
業務名 ※土木設計部門
蒲田地区 災害関連緊急治山業務委託 RE1124B101
発注公所
由利地域振興局 農林部
業務概要
本業務の対象箇所は、日本海東北自動車道「仁賀保IC」のやや北側に位置する渓流「阿部堂川」と、その支流で発生した山腹崩壊地1箇所です。支流で発生した山腹崩壊は、にかほ市で日降水量の観測史上1位を記録した令和6年7月25日の大雨を誘因とした、崩壊深が7~8mに達する深層崩壊でした。この深層崩壊による崩落土塊が、本流である阿部堂川沿いにあるスギ立木や周辺の土塊を巻き込んで流下し、河道を閉塞させたほか、大量の不安定土砂となって渓流内に堆積しました。このような状況からの迅速な復旧を図るべく、当社団が詳細設計を実施しました。
事前の小型ドローンを使用した撮影により、山腹崩壊地の面積が大きく、渓流沿いにも大量の土砂やスギが堆積していることが判明したため、現地に立ち入っての踏査・測量には非常に労力を要すると考えられました。そこで、あらかじめドローンレーザ計測を実施することによって、災害の全体像や詳細な地形などを把握し、踏査にあたって重要なポイントや測量にかかる人員の見込みなどを把握し、業務が効率的に進むよう工夫しました。さらに、重機搬入路を開設して発生源である山腹崩壊地に対策工を施工することで、発生源からの新たな土砂流出が抑えられるため、渓流は既設ダム工の嵩上げで対処する計画とし、対策実施の効率性だけでなく、経済性も追求しました。

